MCP ―― AIに「差し込み口」を付けると、
会話するだけで、社内外の道具を使い回せる。
音声の文字起こし、OCR、Googleのメール・予定・ドライブ、3D CAD、会計ソフト。別々の画面を開いて書き写していた仕事が、Claudeとの会話1つで、取ってきて・まとめて・書類にするところまで進みます。
MCPとは何か
- ひとことで
- AIと道具をつなぐ共通の差し込み口です。USB-Cのように、形が決まっているので、どの道具でも同じやり方でつながります(Model Context Protocol)。
- 何が変わるか
- 今までは、人が画面を開き、数字を読み、別の画面に打ち直していました(書き写し)。MCPでつなぐと、「昨日の打合せで決まったことを宿題にして」と話すだけで、Claudeが録音を取りに行き、読み、まとめ、登録します。
- RPAとの違い
- RPAは画面のクリックをまねるので、画面が変わると壊れます。MCPは道具の正式な窓口(API)を使うので壊れにくく、何をしたかも記録に残ります。
- 使い分け
- MCPは「探る」道具、プログラムは「回す」道具。やることが毎回違う・見ながら決めたい間はMCPで会話し、手順が固まったら、同じことをする小さなプログラムにします(費用が数十分の一になります)。
- 守り方
- 最初は読むだけの権限でつなぎます。書き込み・送信・支払いは、毎回人が「はい」と言うまで動きません。鍵はAIの外(道具の側)で管理します。
私が実際に業務でつないで使っているもの:tl;dv(会議の録音)・freee(会計)・Gmail・Googleカレンダー・Googleドライブ・Slack・Trello・Notion・Canva・Gamma・Fusion(3D CAD)・Blender・Zoho CRM など。
会話の流れを見る(再生)
実際のやり取りの流れを、架空のデータで再生します。青い点線の枠が、Claudeが道具(MCP)を呼んでいるところです。
つなげないときは ―― 4段で、必ずデータにする
相手のシステムにつなげない、紙とFAXしかない ―― それでも諦めません。上から順に試し、どれかで必ずデータにします。
③の見本:お客様が入れる注文の画面
FAXや電話の代わりに、お客様がスマホで入れる画面を、こちらで用意します。入れた瞬間に、こちらの案件の下書きになります(書き写しゼロ)。
③で渋られたら:Web入力の割引を設計する
「この画面で入れていただければ◯%お値引きします」。値引きの原資は、書き写し・確認の電話・入力ミスの手直しが消えた分です。価格表を改定し、Web入力なら割引にすると、手入力の注文はこれまでより少し高く、Webならこれまでと同じか安く、になります。
一般のお客様(BtoC)向けに「通常価格から◯%引き」と出すときは、景品表示法の二重価格の決まりに気をつけます。取引先向け(BtoB)の価格表の改定と、入力方法による割引は、よく使われるやり方です。
会計とつなぐ ―― APIがあれば自由自在、なければCSV、硬い基幹へは書き出す
① APIがある会計ソフト
freee・マネーフォワード クラウド。MCPでつなぐと、話しかけるだけで読み書きできます。「今月の製番ごとの粗利」「入金が遅れている取引先」「この請求書を登録して(確認してから)」
freee・マネーフォワード クラウド。MCPでつなぐと、話しかけるだけで読み書きできます。「今月の製番ごとの粗利」「入金が遅れている取引先」「この請求書を登録して(確認してから)」
② APIがない会計・基幹
CSVで取り込み、CSVで書き出します。文字コード(Shift_JIS)や列の並びは、Claude が相手の形に合わせます。毎月の手の打ち直しが消えます
CSVで取り込み、CSVで書き出します。文字コード(Shift_JIS)や列の並びは、Claude が相手の形に合わせます。毎月の手の打ち直しが消えます
③ 入口を freee・MF にして、硬い基幹へ流す
現場と事務は柔軟な freee・MF で回し、TKC など形の決まった会計・基幹には、決まった形で書き出すだけにします。税理士事務所の仕組みはそのまま
現場と事務は柔軟な freee・MF で回し、TKC など形の決まった会計・基幹には、決まった形で書き出すだけにします。税理士事務所の仕組みはそのまま
触ってみる:取引先のうち、過去10年で落ち込んでいるところと、その理由
会計の売上(取引先別・年別の件数と金額)を読み、ピークからの落ち込み・件数と単価のどちらが減ったか・急に落ちた年・最後の取引を見て、理由の見立てを付けます。データは架空です。
最初につなぐなら
| 順番 | つなぐもの | 話しかける例 | 消える谷間 |
|---|---|---|---|
| 1 | 会議の録音(tl;dv・PLAUD) | 「今週の打合せで決まったことを、製番ごとの宿題にして」 | 落ち(決まったことが届かない) |
| 2 | 会計(freee) | 「今月の製番ごとの粗利を、社長向けに1枚に」 | 見えない(月末まで分からない) |
| 3 | Google(メール・予定・ドライブ) | 「S-2601 に関係するメールと図面をまとめて」 | 探す時間 |
| 4 | 3D CAD(Fusion・FreeCAD) | 「W1100×H1500の門型を作って、部材表を出して」 | 書き写し(図面 → 部材表 → 発注書) |
| 5 | OCR(写真・FAX) | 「このミルシートの写真から、材料を製番にひも付けて」 | 書き写し・漏れ |