SNSを、社員に丸投げしない
誰でも、簡単に、素早く、アプリが出来る。プログラムは書きません。AI に日本語で頼むだけです。
SNSを外注しても、たいてい何も変わりません。理由は1つです。
SNSは3つの仕事に分かれていて、そのうち2つは、もう値段がゼロになりました。
残った1つを外に出しているから、お金を払っても変わらないのです。
まず、目的と目標を分ける
「バズりたい」は目標であって、目的ではありません。
目標は目印、目的は的や。目的を定めたら、目標は自動で決まる。
バズを目的にした会社は、バズったあとに売るものがありません。
フォロワーが増えても、誰を喜ばせるかが決まっていないからです。
SNSは3つしかない
| 何をするか | 3年前 | いま | |
|---|---|---|---|
| ① 企画 | 誰に、何を言うか | 大事 | ここだけが残った |
| ② 撮影・生成 | 撮る。AIが作る | 腕の差が出た | AIで誰でも |
| ③ 編集 | 切る。字幕を付ける | 腕の差が出た | AIで誰でも |
3年前は、撮れる人・編集できる人が強かった。
いまは生成AIが撮り、AIが切って字幕まで付けます。上手い下手で差がつきません。
SNSは「何を撮るか」が9割。決まっとれば、撮影は週1日で済む。
この「9割」は、いまは10割です。
①は外注できない
①は「自社が何者か」を決める仕事です。外の人間には決められません。
ところが外注するとき、渡しているのは②と③だけ。
値段がゼロになった部分に、お金を払っていることになります。
よくある事故
- SNS担当を1人決めて、丸ごと任せた … 任された人が燃え上がるだけで、会社の言いたいことは決まらないまま
- 投稿を自動化した … 中身が決まっていないので、量だけ増えて誰にも届かない
- 同業他社の真似をした … 相手の①をコピーしただけ。自社の強みが1つも入っていない
①を決める(1時間で書けます)
1-1. 自社のSWOTを、AIに書かせて直す
きれいに書こうとしないこと。 弱みと脅威は、消そうとしなくていい。
補助金申請書はSWOTで書ける。弱みと脅威から逃げるために、機会と強みに全部突っ込む。
自社の資料(会社案内・商品リスト・直近の売上)をAIに渡して、次のように頼みます。
このファイルを読んで、うちの会社のSWOTを書いて。 そのあと「弱みと脅威から逃げるために、機会と強みのどこに全部突っ込むべきか」を3つ提案して。
出てきたものはたたき台です。そのまま使わず、違うところを直します。
直せるということは、自社のことが分かっているということ。 直せなければ、そこが①の穴です。
1-2. 誰に言うかを、1人に絞る
「30代〜50代の経営者」では広すぎます。実在する1人を思い浮かべて書きます。
さっきのSWOTをもとに、うちが一番喜ばせられるお客様を1人、人物像として書いて。 年齢・仕事・いま困っていること・なぜうちなら解決できるのかを、具体的に。
1-3. 言うことを1つに決める
言いたいことを全部言うと、何も伝わりません。
その人に対して、うちが言い続けるべきことを1つだけ決めて。 理由と、それを言い続けたときに1年後どうなるかも書いて。
A4で1枚になります。これが無いまま撮り始めるから、続かないのです。
ネタはAIに500個出させる。決裁は人間がする
①が決まったら、ネタ出しはAIの仕事です。
SNSを丸ごと任せるな。任された人が燃え上がるだけや。
ネタはAIに500個出させて、役員会で決裁せえ。
さっきの「言い続けること」をもとに、投稿のネタを100個出して。 表にして、それぞれ「誰に刺さるか」「どの形(写真・動画・文章)が合うか」も書いて。
AIに任せるのは「量」です。「判断」ではありません。
多くの会社が「AIで自動化」を投稿の自動化だと誤解しています。
自動化していいのはネタ出しまで。何を出すかの決裁は、必ず人間が握ります。
決裁の基準(3つだけ)
- ①で決めた1人に刺さるか(刺さらないものは、面白くても捨てる)
- 自社しか言えないことか(他社が同じことを言えるなら、価値がない)
- 続けられるか(月に1回しか撮れないものは、選ばない)
打率は7%でええ。刺されば15%になる。93%が戻るのは折り込み済みや。
全部当てようとしないこと。 100個出して7個刺されば十分です。
撮影は、週1日にまとめる
①が決まっていれば、撮影日は週に1日で足ります。
- 決裁の通ったネタを並べて、1日でまとめて撮る
- 撮るものが決まっているので、迷わない
- 足りない絵は、AIに作らせる
毎日撮ろうとするから続かないのです。 続かない原因は、やる気ではなく段取りです。
編集はAIに渡す
切る・字幕・サムネイル。ここはもう人間の仕事ではありません。
この動画から、一番言いたいことが伝わる30秒を切り出して。 字幕を付けて、最初の3秒で止まらないように、冒頭の一言を3案考えて。
ここで時間を使っている会社は、②と③に人件費を払い続けることになります。
出したあとは、Meta の懐から出ない
ここからは「作ったあと」の話です。3つに分ける話とは、別の層だと思ってください。
Meta Business Suite の2026年版には 「AI Insights」 というタブがあります。
異常値と改善案が自動で出ます。たとえば CTR が前日より落ちると、
「クリエイティブの鮮度低下」 を示して、新しい素材を作るよう促してきます。
分析の道具を別に契約する理由が、また1つ減りました。
使っとるかも分からん契約が、毎月静かに金を吸うとる。
データを外に出さないので、連携が切れて止まることもありません。
懐の中にいるほうが、素直に伸びます。
広告を出す場合
出さなくても構いません。出すなら、という話です。
Meta の Advantage+ は、AI で自動化する道具の束です。1つの機能ではありません。
| 何を自動でやるか | |
|---|---|
| Advantage+ オーディエンス | 誰に出すかを AI が決める |
| Advantage+ クリエイティブ | 画像・動画・文章を AI が組み替えて試す |
| ASC / アプリ | EC・アプリ向けに、まとめて自動化 |
2026年に、2つの決定的な変化が起きています。
- 手動のターゲティングが、制度として終わりました
2026年1月15日以降、無効になったターゲティングを含む広告セットは配信が止まります。
代理店の腕の見せどころだった部分が、制度ごと消えました - Advantage+ クリエイティブが、既定でオンになりました(2026年4月〜)
入れた素材を Meta の AI が組み替え、背景・明るさ・文字・尺まで変えて試します
そして、運用の作法がこう変わりました。
細かい興味関心の絞り込みは、むしろ AI の邪魔になる。 性別・年齢の大枠だけで十分。
- 頑張って設定するほど、成果が落ちる
- 代理店の腕の見せどころは、制度ごと消えた
どちらも、好き嫌いの話ではありません。仕様がそうなったという話です。
広告でも、人間が決めるのは①だけです。
TikTok も YouTube も同じ。だから1つに絞る
なぜ Meta の話をしたのか。ここで回収します。
| 配信の自動化 | 素材の AI | 手動でいじれる余地 | |
|---|---|---|---|
| Meta | Advantage+ オーディエンス | Advantage+ クリエイティブ | ほぼ無い(2026年1月に手動廃止) |
| TikTok | Smart+ | Symphony(文章から動画・AIアバター。2026年4月に Smart+ へ統合) | 少ない |
| YouTube / Google | Performance Max | AI が最適化 | Demand Gen なら残っている |
3社とも、同じ方向に進んでいます。
だから「どのプラットフォームを選ぶか」は、本質ではありません。
どれを選んでも、決めるのは①だけです。
だからこそ、1つに絞ってください。
3つ同時にやっても、覚えることが3倍になるだけで、学ぶことは同じです。
選ぶ基準は1つ。①で決めた「その1人」が、どこにいるか。
まず没頭して一等賞になれ。一等賞になったら、やれることが勝手に増える。
自動化がいちばん進んでいる=迷う余地が少ないということです。
自由度が高いほうが、初めての人には毒になります。迷えるから、続きません。
続ける仕組み(誰が何を握るか)
| 握る人 | 頻度 | |
|---|---|---|
| ① 言い続けること | 経営者(ここだけは渡さない) | 半年に1回見直す |
| ネタの決裁 | 経営者+担当 | 月1回、まとめて |
| 撮影 | 担当(または外注) | 週1日 |
| 編集・投稿 | AI+担当 | 随時 |
経営者が握るのは①だけです。それ以外は渡していい。
逆に、①を渡した瞬間に、SNSは会社のものでなくなります。
種明かし:この3つ、SNSだけの話ではありません
| ① 企画 | ② 生成 | ③ 編集 | |
|---|---|---|---|
| SNS | 誰に何を言うか | 撮る・AIが作る | 切る・字幕 |
| ウェブサイト | 何を載せて、誰を動かすか | AIが書く・組む | 直す |
| 技能承継 | 何を型にするか | AIが手順書に起こす | 現場で直す |
全部、同じ3つです。 そして全部、②と③の値段がゼロになりました。
だからどれも①しか残りません。
専門家を何人入れても直らん会社がある。課題が専門の枠をまたいどるからや。
SNSの会社、ウェブ制作の会社、技能承継のコンサル。3社入れても直らないのは、
①が誰も決まっていないからです。
かかるお金を並べてみる
SNSの代行、ウェブの制作、マニュアルの整備。
いま3つに払っている額を、一度足してみてください。
金額はここには書きません。会社によって桁が違うからです。
足してみて「思ったより払っている」と感じたなら、その先を読む値打ちがあります。
同じ金額をかけるなら、残るものが違います。
| 外注 | 自社でできるようにする | |
|---|---|---|
| やること | やってもらう | できる社員が残る |
| 終わったあと | ゼロに戻る | 次も自分たちで回せる |
| 効く範囲 | 頼んだ1つだけ | ①が分かれば、全部に効く |
自分でできると、人に教えられるは10倍違う。教える人を教えるはさらに3倍や。
で、今日から何をするか
自社のSWOTを1枚、AIに書かせて、直してください。
直せたなら、①はもう半分決まっています。
直せなかったら、そこが穴です。 SNSを外注しても、ウェブサイトを作り直しても、そこは埋まりません。
「やりたいです」は、たいてい「やりたいと言いたいだけ」や。
1時間で終わります。今日やるか、やらないかだけです。